・PKストッパー、ムスレラ(Corriere dello Sport)
目でボールを追い、抜群の瞬発力で飛び付く。これはムスレラの秘密の一つだろう。彼は偶然の英雄ではない。ナンド・ムスレラは6つのPKを阻止しているのだ。「PKは運命次第だよ」と、彼はオサスーナ戦後に語った。しかし、本当に運なのだろうか?彼は勇気、直観力、冷静さを保ちながら仕事をこなしている。
夏−コッパ・イタリアでカッサーノ、カンパニャーロのPKをストップしたムスレラだが、昨シーズンはベッルッチ、2年前にはアマウリ(パレルモ在籍時)のPKを阻止している。そして、オサスーナ相手の木曜日の素晴らしい夜(Dady、Vadoczのキックをストップ)。「ナンドは阻止して踊る」。チームメイトはこのように歌った。ナンドはミランとの試合(1-5の大敗)が遠い過去のように、シュートを阻止し、踊っている。スーペル・コッパのインテル戦は伝説的だった(ルシオのシュート、ミリートの2度のシュートを阻止)。6ヶ月前から、ムスレラはベンチの中で復讐に燃えていた。このとき、周囲のすべては彼を絶望視し、無駄な努力だと感じていた。
テクニック−オスカル・コルドバを目標にしているムスレラは、コルドバのようなPKストッパーとなった。だが、ムスレラにはコルドバよりも非常に注意深い姿勢と才能がある。GKコーチのGrigioniは、ムスレラに対して最後の最後まで耐えること、シュートコースを予想したあとにジャンプすることを教え込んだ。
復活−新たなムスレラは完璧なGKだ。イタリアに到着した頃はまだ未熟だった彼は安定感と技術を得て、筋力も身に付けた。ラツィオのように注目の的となり、プレッシャーのかかるクラブで順応することは簡単ではなかったが、彼は堕ちたあとも働き、再び這い上がってきた。そして、今日、ティフォージからは英雄と考えられている。



・バローニオ、ラツィオでのおとぎ話(Gazzetta dello Sport)
信じられないストーリー。ラツィオのバローニオを巡る今年の夏の物語だ。忘れ去られていた存在からのスタメン出場、そして多くの拍手。25日間で、彼の状況は一気に変化した。
2日前のオリンピコの夕方。試合終了直後、ティフォージはバローニオを見つめた。クルヴァ・ノルドへ向かって歩いたバローニオには多くの拍手喝采が送られ、バローニオはティフォージにユニフォームを渡した。
レデスマが不在の中、バッラルディーニはバローニオにチャンスを与えることを躊躇しなかった。そしてバローニオはバッラルディーニを魅了した。バッラルディーニは、バローニオのことをフィルマーニのようにラツィオから去る運命にある要素だとは見ていなかった。現在、バローニオはレギュラーと言えるだろう。オサスーナ戦でのフル出場は最後の確証だ。レデスマとロティートが状況をハッキリさせないのならば、Elfsborgとの試合でもバローニオがピッチに向かうことになる。
その一方で、バローニオは現在の瞬間を楽しんでいる。「キャンプに出発し、スーペル・コッパ獲得を祝った。考慮されていると感じているよ」。ちなみに、バローニオはアウロンゾのキャンプに到着したときには次のようにコメントしていた。「ラツィオは僕を信頼していない。バッラルディーニが彼なりの評価をしてくれるよう望んでいるし、彼が僕の今後を決断してくれることを願っている」。
バローニオがラツィオのユニフォームを初めて身に着けたのは1996年のことだ。「残念ながら、僕は守備陣の前のポジションに僕のような特徴を持つ選手を起用する監督とは出会えなかった。−以前、バローニオは口にしている−ピルロにあった財産は、僕にはなかったんだ」。