・インザーギ「僕のすべて」
シモーネ・インザーギの物語は美しく甘いハッピーエンドだ。数ヶ月前とは完全に異なる状況。「僕は本当に幸せだ。この幸せなゴールは僕自身、そして母に捧げる。僕はそれに値している」。インザーギは笑顔で語った。それも当然だろう。めまぐるしく移り変わるカルチョの世界で、彼は堕落と再生を味わったのだから。インザギーノは遅かれ早かれ、ラツィオの一員として決定的なゴールを決めることを確信していた。2,3日前のコッパ・イタリアでは自身のゴールよりもパンデフへのアシストを優先したが、このアシストの小さな感覚はレッチェ戦の復活の前兆だったと言えるだろう。
彼は今夏の時点で既にこのような状況を迎えることを信じていた。チームメイトと共にローマに残されたインザーギは、予定されたトレーニング全てには行かなかった他のチームメイトとは違い、連日トレーニングに汗を流していた。クラブ側はインザーギに対してセリエB、またはアメリカという国外移籍を提案したが、自信を持っていた彼は全て拒否した。「僕は決して諦めなかった。僕は若干の可能性を持っていたし、最終的には自分が正しいと確信した。状況を解決し、再びピッチ上に戻してくれて、可能性を与えてくれたロッシ監督とクラブには本当に感謝しなきゃいけない」。
ゴールを決めた後、インザーギはすぐにボールを手に取り、自陣へ戻った。その最中、彼はベンチに怒りを示しているようにも見えた。「いいや、僕は幸せだった。少し怒っていたのは確かだけどさ。僕は自分が何かをできるとわかっていたから、プレイしたいという欲求に溢れていたんだ。勝利できなかったのは本当に残念だったよ。同点に追いつけば逆転できると思っていたしね。でも引き分けでも問題はないよ」。
インザーギの重要なゴール。長年決められずにいたゴール。彼が最後に決めたゴールは2004年9月19日まで遡る。このとき、彼はレッジーナ相手にPKを叩き込んだ。「ゴールがないのは死んでいるようなものだし、ゴールを決められたことはすごく幸せだ。このゴールは僕自身、そして今週亡くなったじいちゃんに捧げる。僕はじいちゃんを愛していた」。今後は何が起こるのだろうか?「今夏から信じ難い欲求でトレーニングし続けているけど、それを今後も続けていく。そして監督を困らせてやりたい」。
インザーギに対して、ロティート会長からはプレゼントが贈られるかもしれない。既に2,3週間前から彼らは2009年6月に満了する契約更新について話しているのだ。インザーギはラツィオでキャリアを終えるために2,3年の契約更新を実現させるかもしれない。
また、チームメイトであるブロッキはインザーギに挨拶をした。「彼は大きなゴールを決めてくれたし、僕たちは彼に感謝しなきゃいけない」。(Messaggero)




・“落ち着きとカリーソ”
カリーソは正しいプレイを見せているのだろうか?1年前、彼は新たなフェノーメノと紹介され、70年代にプレイしていた伝説的なアルゼンチン人GKFillolとも比較されていた。そしてラツィオはペルッツィの後釜を発見したと確信し、ホッとため息をついていた。しかし、これまでのところ恐らく彼は期待していたほどの活躍を見せられていない。「彼についてはもともといくつかの状況において課題があった。でも将来は彼のものだし、将来は穏やかなはずだ。彼を裁判に持ち込むような危険を冒してはいけない。ラツィオは道を建設している最中のチームだ。それはファン・パブロ・カリーソにとっても同じだよ」。これはペルッツィ、バッロッタ、プーリチという過去の偉大なラツィオGKの一致した意見だ。
レッチェ戦、彼はティリボッキに先制点を許すなど、いくつかの技術的な問題を露呈した。開幕からの6試合で彼がミスを犯したのはレッチェ戦が初めてではない。カリアリ戦ではLarrivey、ミラン戦ではカカーに対し、ポジショニングミスから失点している。アンジェロ・ペルッツィはカリーソのシュートへの対応の仕方を非難しつつも、彼を褒めた。「俺から見れば彼は良いGKだ。大きなセーブを見せた後にミスをしたりするけどね。彼については怒りたくなるような、放っておけないプレイをすることがある。それはアルゼンチン人特有のモノとも言えるよ。彼はシュートに対してもう少し慎重になるべきだ。ただ、彼はいずれ周囲を驚かせることになるだろう」。
続けてマルコ・バッロッタがレッチェ戦でのティリボッキのゴールシーンについて語った。「私から見れば、ファン・パブロはカウンターに備えていたように見えた。彼はレッチェの攻撃に反応しようとしていたが、ボールがゴールに向かったことを理解したあと、ボールに反応することに成功できなかった。カリーソが欠点を改善し、技術を取り戻すためには時間が必要だ。彼には品格があるし、成長することができるだろう」。最後に、74年のカンピオーネ、フェリーチェ・プーリチ氏がコメントした。「いくつかの点において、彼を待つ必要がある。ティリボッキのゴールシーンについては、私はカリーソがパンチングで逃れたいという願望を持っていたと思っている。しかしボールは右に逸れてしまい、それに気づいたときには遅かったんじゃないかな。彼のようなプレイは南米の選手特有のものだが、彼は時間と共に修正しなければならない」(Messaggero)