・カリーソからリヒトシュタイナーまで、あらゆるポジションを強化
ラツィオは正しい道のりを出発した。2007年8月31日の苦い記憶がはるか昔のもののように。マウロ・サラテを絶賛するのは正しいが、彼だけをラツィオの象徴として受け取るのは間違いである。ゼーマン監督がラツィオを率いていた、14年前以来となる開幕からの連勝を達成したラツィオにはサラテのほかにもカリーソ、リヒトシュタイナー、マトゥザレム、ブロッキがいる。結果を見ればラツィオが彼らへ投資したことは正しい選択だったと言えるだろう。
ファン・パブロ・カリーソは本来ならば昨夏の時点でクラブに合流しなければならなかったが、それは既に過去の話である。現在ラツィオのユニフォームに袖を通したカリーソは自らの価値の全てを示している。ラツィオはペルッツィの引退の後、ようやく後継者となりえるGKを発見したようだ。ミラン、レアル・マドリード、バルセロナといったクラブが2008年1月にカリーソの強奪を狙っていたことからも彼の評価がわかるだろう。
中盤ではマトゥザレムとブロッキという既に名の通った選手を獲得した。マトゥザレムは1200万ユーロの買い取りオプション付きレンタルで加入した一方で、ブロッキはミランでの賭けを諦めラツィオに到着することを決心した。
最後に、ロティート会長にとって大きな賭けであったと言えるのはリヒトシュタイナーの獲得だろう。彼の獲得は明らかな勝利だった。右SBでプレイするリヒトシュタイナーはデ・シルヴェストリのような爆発性こそないものの、攻守に安定したパフォーマンスを見せており厚い信頼を受けている。ベーラミがFIFA条項行使を破棄して安価で移籍したように、彼も150万ユーロの移籍金でリールからラツィオに到着した。新加入選手たちによるショーは始まったばかりだ。(Messaggero)



・サラテと周囲
見るたびに説得力は確実性を増す。サラテは本物のフェノーメノだ。カリアリ戦に続き、オリンピコ開幕戦となったサンプドリアを相手に、サラテは素晴らしいゴールを決めた。彼はオリンピコの新たなアイドルとなり、カンピオナートの新星になった。彼の器用さはキャンプ中に既に表れていた。チームメイトからは絶賛を浴び、ファンは体の芯まで彼に熱くさせられていたのだ。
マウロはチームメイトなどからの戦術的なアドバイスを理解するためにはイタリア語を学ぶことが基本的であることを理解している。そのためアウロンゾでのキャンプ中にはレデスマ、カリーソ、ムスレラといったスペイン語が通じる選手たちとしょっちゅう絡んでいた。コッパ・イタリアのベネヴェント戦でベンチに座り続けた際、サラテは決して落胆しなかった。逆に彼はその状況に対抗し、カンピオナートの開幕後には周囲へ驚愕をもたらした。
兄のセルジオ代理人により、お金のためだけにカタールでプレイするという哀れな決定を下したU-20W杯のカンピオーネ。カタールは彼の巨大な才能に値するリーグではなかった。そして、彼は自らの富のために数ヵ月後にイングランドのバーミンガムへ移籍した(スタメン出場6試合で4ゴール)。その後、ロティート会長がこのアルゼンチンの若手に狙いを定めた。ロティート会長はヒメネスやビアンキのケースを繰り返してはいけない。ラツィオは大きな経済犠牲を負ってでもサラテを残留させなければならないのだ。サラテはパンデフと共にチームの技術的な将来を背負っていくことのできる選手だからである。
ピッチを離れたサラテ。ローマデルビーでのゴールを夢見ているパスタ好きの彼はインターネットやミュージックに多くの時間を費やす人間だ。
ロッシ監督はサラテの才能をどのように成長させていくべきかを理解した。「サラテはチェヴァントンを初めて目にした頃を思い出させる。彼らには本能、テクニック、スピード、シュートという武器がある。マウロには大きな成長の余地が残されているよ」。(Messaggero)



・周囲を納得させたサラテ
チームメイトは彼を抱きしめ、ファンは彼を絶賛し、会長はほくそ笑む。
Zarate-kidは開幕からの2試合で3ゴールを決め、懐疑論を崩壊させた。ロティート会長は180分間でラツィアーリのアイドルとなったサラテ獲得の経緯を説明した。「私は個人的にDVDを見て選手の選択に取り組んでいる。サラテのことも以前から追っていたが、アラブに移籍したことによって見失ってしまった。でもその後、我々はスピードあるFWの獲得を目指すことになり、再びサラテの名前が挙がったんだ。サラテは常に勝利を望む選手だ。ただ、グループのためにプレイすることなど、まだイタリアのカルチョを理解する必要がある」。
ロッシ監督もロッキの復帰を待ちつつ、宝石に拍手喝采を送った。「サラテのことを待つ必要はなかった。彼はまだ若いにも関わらず誇り、欲求、モチベーションに溢れている」。
しかし、現在問題が起こりつつある。サラテのゴールは世界中に知れ渡ったため、ラツィオは買い取りオプション行使計画を調査する必要性が出てきたのだ。現時点では来年5月に500万ユーロを支払って共同保有の形に移行し、その後2009年に800万ユーロを支払って完全移籍が実現する予定となっているが、ロティート会長は時間を早める準備ができている。(Tempo)





・シニョーリと同じ成績のサラテ
サラテがビアンコチェレスティの歴史上に名前を記すには2試合で十分だった。サラテはジュゼッペ・シニョーリ以来となる新加入での開幕2試合3得点という成績を出した。シニョーリはおよそ5年間で107ゴールを挙げ、3度得点王に輝いている。
開幕からの2試合の成績を比べるとサラテはクレスポ(2節のペルージャ戦で初ゴール)、サラス(5節で初ゴール)、ロペス、ボクシッチ(2節のトリノ戦で初ゴール)、ルヴェン・ソサといったボンバーよりも良い成績を残している。
なおロッシ監督はゼーマン監督のラツィオ初年度以来となる開幕からの連勝を達成した。(Leggo)