☆ついに現実となったトリデンテ
ロッキ-パンデフ-ビアンキ。戦術的に疑問があったこの布陣はサンシーロで現実となった。ロッシ監督はこの賭けが良い結果に終わったことを認めている。そしてリヴォルノ戦でもこのトリデンテを使用すると見られている。
このトリデンテはミラン戦の後半開始10分の間に何度も相手GKにとって非常に危険な場面を作った。ミランのカラッチはその決定的なピンチを阻止していたが、ロッキのアシストからのビアンキのシュートを止めることはできなかった。トリデンテはこのような形で、攻撃的な展開の中では非常に面白い手段となることを示した。
マウリの不調に加えメグニも万全のコンディションに程遠い状態にある中、ロッシ監督は異なる何かを試すことを選択した。そしてトリデンテが成功を収めたことにより、ロッシ監督はトレクァルティスタに関する解決策を見つけたと言えるかもしれない。パンデフがトレクァルティスタとしてアシスト役に徹することができるのならば、ロッシ監督はマウリやメグニよりもパンデフを信頼するだろう。パンデフは試合開始直後こそトレクァルティスタとしての役割をこなすことができなかったが、時間が経つにつれ序々に効果的なプレイを見せた。パンデフ自身も自らの技術をチームのために活かすことは可能だと確信している。
次節のリヴォルノ戦でも引き続きトリデンテが起用されると見られている。ロッシ監督はこの3人のミラン戦でのパフォーマンスに非常に満足している。そして更なる向上に期待し、この布陣を続けていくことを決断した。ただマウリとメグニにとって、この流れが彼ら二人の失敗を意味するというわけではない。彼らにはコンディションを整える時間が与えられただけであり、入り込むスペースは存在している。
サンシーロでの引き分けが本当に価値のあるものだと言えるかはわからない。しかしラツィオがカリアリに破れ、ファンからの抗議を受けたのはわずか1週間前のことである。ミラン戦でロッシ監督は新たな1ページをめくることを決断した。カンピオナート終了まではあと12試合残されている。(Messaggero)




☆パンデフをカカーのように
トレクァルティスタとしてのパンデフは予想以上に美しいものであった。パンデフはミラン戦で周囲をゾクゾクさせるような才能溢れるパフォーマンスを披露した。トレクァルティスタというポジションはパンデフのテクニックを最大限に生かすポジションと言えるのかもしれない。ヴィンチェンツォ・ダミーコ氏とジュゼッペ・シニョーリ氏はパンデフを「ラツィオのカカー」と賞賛している。
ミラン戦でパンデフはカカーとほぼ同じポジションでプレイした。本当に興味深いのはパンデフとカカーには非常に類似した点が多数見つかるところと言える。カカーはこれまでイタリアで152試合42得点という数字を残している一方で、パンデフは139試合で35ゴールという数字を残している。数字的にはカカーの方が上回っているものの、得点率はカカーが1試合0.30、パンデフが1試合0.25と差は決して広くはない。今シーズンのCLの舞台に限れば、パンデフは7試合で5ゴールを決め、8試合2ゴールとなっているカカーを上回っている。
ヴィンチェンツォ・ダミーコ氏は「センスとテクニックの面では二人は似ていると言えるだろう。パンデフはラツィオの他の選手には無い左足を持っているよ。だが彼はまだまだ成長しなければいけない」と語っている。確かにパンデフはトレクァルティスタとしてまだ多くのものを学ぶ必要がある。特にロッシ監督が重要視している守備面は改善しなければいけない。マウリが守備に貢献し、DF陣を助けているのは事実なのである。またダミーコ氏のコメントに続き、ジュゼッペ・シニョーリ氏はパンデフについて次のように評価している。「パンデフをカカーのように起用するのは正しいことだよ。パンデフは違いを見せることの出来る選手だ。カカーはトレクァルティスタでプレイするために生まれてきたと言える一方で、パンデフは常にFWでプレイしてきた。ただパンデフはまだ若いし、もっと成長できるはずだ。僕は彼が更なる飛躍を遂げると確信している」。
ラツィオの手には宝石がある。これまでの間この宝石は技術的にも戦術的にも順調に成長し、センスあるプレイで周囲を驚かせてきた。パンデフのここ3年間の成長はロッシ監督によるものと言える。
現在パンデフが唯一変更したいものがあるとすれば、契約のことだろう。ブランキーニ代理人はミラノでロティート会長と会談を行った。ラツィオはこの宝石への包囲網を強化することを望んでいるが、今夏から来シーズン開始までに契約更新を実現させるべく急がなければならない。もしそうしなかった場合にはパンデフに若干の不信感が生まれるかもしれない。パンデフが好調な時期に問題の種を振り撒いてしまうことはラツィオにとってもパンデフ自身にとっても良いことではない。(Messaggero)





☆ダボの6月までの給料は3万6000ユーロ
マンチェスター・シティと素晴らしい契約を結んでいたにも関わらずラツィオへ復帰したダボは6月までは最低賃金の給料を受け取ることになっている。
ダボが貴重な選手であることは確かなことであり、ラツィオへの復帰はロティート会長にとってもダボにとっても疑いなく良い出来事であった。ただダボは自らが重要な存在であることを明白に示す必要がある。そのためダボは3万6000ユーロというカルチョ界の最低賃金での契約にサインした。
数年前にはローマのトンマージも最低賃金で契約を結んでいた。トンマージとダボの違いと言えば、ダボは2010年まで契約を結び、来シーズン以降は年俸がアップする可能性があることくらいだろう。ただ年俸はアップしてもボーナス込みの50万ユーロほどまでと見られており、これはラツィオのサラリーキャップ制度内に収まる額となる。
100万ユーロ以上の年俸でマンチェスター・シティと2年間の契約を結んでいたダボはラツィオに到着して以来、ここ2試合を除いて良いパフォーマンスを見せられていなかった。ただサンシーロでのミランとの試合では以前のレベルに戻ったプレイを見せ、ラツィアーレはダボを気の毒に思いながら彼のプレイを賞賛した。(Messaggero)