☆ラツィオと共に上を目指すムディンガイ
ガビー・ムディンガイはブレーメン戦に向けて、ラツィオを勝利に導くために戦うことを固く決心している。
今シーズンのラツィオはムディンガイの貢献とは裏腹に良い結果を得られずにいるが、本人はブレーメンに勝つことができると確信している。「開幕からのスタートが僕たちにとって厳しいものだったことは確かだよ。僕は自分のベストのプレイを与えることしかできないけれど、もう少し忍耐強く見ていてほしい」。
ムディンガイはここ2シーズン、ロッシ監督に最も信頼されている選手の一人となっている。キンシャサ生まれのムディンガイはこれまでビアンコチェレスティ躍進の原動力となるプレイを見せてきた。ムディンガイについてチームメイトであるイリ・ターレは「彼は尽きることのないスタミナと熱い気持ちを持っている。最後まで疲れを見せないし、僕たちの中盤のエンジンの1つだよ」と語っている。
イタリア語とフランス語を流暢に話し、内気ながらお茶目なジョークを言うこともあるムディンガイはCLについて次のように語っている。「グループリーグを突破するにはドイツで良い結果を得なければいけない。僕はブレーメン戦に出るためにリヴォルノとの試合を欠場した。ブレーメン側もホームでは絶対に負けられないだろうし、タフな試合になると思う。でも僕たちはたとえピッチ上で死ぬことになったとしても、チームに全てを与えなきゃいけない」。
コンゴ生まれのムディンガイは1998年(当時17歳)にベルギーへ渡り、下部クラブのRRC Etterbeekでキャリアをスタートさせ、その後ゲンクへ移籍し、トリノへ引き抜かれた。そしてトリノでの6ヶ月間のプレイを経て04-05シーズンにラツィオに加わることになった。
両親も中央アフリカの戦争により引き裂かれたコンゴ出身のムディンガイだが、数年前に本人はコンゴ代表入りの誘いを拒否している。数年前、ムディンガイはベルギーU-21代表に選ばれていたが、将来はコンゴ代表でプレイすることを夢見ていた。そしてその夢は実現に達していた。しかしムディンガイはコンゴ代表からの招集内容に失望することになった。本人はコンゴ・フットボール協会の行動がプロとは思えない理解し難いものだったと語っている。「今まで僕はメディアに対してコメントすることを避けていた。あることないことを書かれて、わざわざそれに反応するのが嫌だったからね。僕は子供の頃にコンゴを去った。コンゴのことは両親からいろいろ聞いているけれど、現状がどうなのかは全く知らない。そんな感じで、ある日突然コンゴ・フットボール協会から電話がかかってきたんだ。内容は『招待はできないが、キンシャサ空港に来てくれ。空港へ誰かが迎えに行く』というものだった。気絶するかってくらい驚いたよ。コンゴ・フットボール協会が本当に僕を必要としていたのなら、電話ではなくて他の選手たちと同様の手段で僕を招待していたはずだ」。
現在EURO2008予選でベルギー代表の一員として戦っているムディンガイだが、自身はコンゴ人であると感じている。「ベルギー代表入りについては父と話して決めた。こうすることが一番簡単な方法だったからね。ベルギーでは良い人生を送ることができているけれど、アフリカ人としての僕の気持ちと命を変えることはできない」。(BBC Sport, UK)